178年間続くイタリアのファミリー経営 “Busatti”

こんばんは、デザイン担当のりさです。

毎年、私たちの1年はドイツの国際インテリア生地見本市「ハイムテキスタイル」から始まります。
今年はその後パリ→Arezzo(トスカーナ地方・イタリア)に行ってきました。トスカーナ地方は、イタリア内でもクラフトが有名な地域で、中でもヨーロッパ中のハイブランドの皮製品はトスカーナでつくられているそうです。

以前からリサブレアでも取り扱っている生地Busatti(ブサッティ)の本社へ行ってきました。
Busattiは、リネンとコットン(時々ウール)天然繊維に拘った生地で、テーブルリネンやベッドリネンとして、アメリカやヨーロッパのセレブレティに愛される生地ブランド。ミウッチャ・プラダは個人的に度々訪れるそうで「プラダレッド」という彼女の為につくった美しすぎる赤色があったり、アメリカのファーストレディであるメラニア夫人のゲスト用ギフトとして、同社のカクテルナフキンが選ばれたり….

そして、私個人的に大ファンであるJohn Derianや、Burgdolf Goodmanは同社のテーブルリネンを取り扱っています。

日本では、私たちが広めていこうと意気込んでおります。
先ずは、ファミリーのお話。創業は1842年、イタリアのトスカーナ地方、アンギアーリという街からスタートします。

ヨーロッパの方々と話していると、歴史無しでは語ることができない(笑)
300年前から始まってしまうので、話をフォローアップしていくにはある程度歴史を理解しようと現在奮闘中です。
17世紀にアンギアーレ(現在のブサッティ本社がある街)にナポレオン軍が駐留します。レオナルド・ダ・ヴィンチの名画「アンギアーリの戦い」をご存知の方もいらっしゃるかもしれません。そのナポレオン軍の防寒具として、毛織物のブランケットや軍服を供給するビジネスを展開していたのが始まりです。

その後に、ウールに代わり綿や麻を中心とした織物メーカーとして、19世紀のイタリア統一戦争→20世紀の第二次世界大戦とブサッティは着々とビジネスを拡大し、名が知られるようになりました。第二次世界大戦が終わり、イタリアは景気回復を果たしましたがブサッティ家の男性陣に不幸が続き、その当時8人の子育て(長男は20歳)をしていたフランチェスカ夫人が経営者となります。

ビジネスを拡大していくよりも、天然素材を活かした高品質なもの作りに専念することを決心し、現在では世界中にファンを持つ生地ブランドとしての地位を築きました。

現在の社長の弟であり、生地デザイナー兼セールス担当のステファノ。先ず案内してくれたのが「Achive Room」(写真左)

 

ステファノが案内してくれたのが「Achive Room」。私はてっきり「デザインの所蔵庫」かと思いましたが、そこには受け継がれてきた蔵書や写真がずらりと並んでいます。ステファノが手に持っているのが、パパと幼少期の彼が工場で撮影した一枚。工場が遊び場であり、もの心ついた頃から織物に触れているので、大学で勉強することなく、自然と生地デザインのスペシャリストとなったそうです。

これはFamily Treeと呼ばれ、日本で言う家系図の様なもの。
ファミリーの歴史が刻まれた、この一枚の絵に全てが詰まっている様な気がします。

 

自然体で気さくなステファノは街中の人気者。何故かと言うと、下の写真にあるお城(Palazzo Morgalanti)は、1795年ブサッティ家が購入。以来、この街の名家であり「ブサッティ」を知らない人はいません。誰かと会うと「チャオ!」とご機嫌に挨拶している姿を見て、ブサッティは本当に街の人々に愛されているのだなと感じました。

人口約6000名のアンギアーリの中心は、500年前に建てられた丘の上のお城を中心に広がっています。
その当時の街並みがそのまま残っており、教会の鐘の音、煙突から出る煙の匂い…. 本当に夢の様な街でした。

右に見えるのが、Palazzo Morgalanti

この写真は、ブサッティ本社の2階にあるゲストルーム(数十年前までブサッティ家が住んでいたお部屋)のベランダかた撮影した写真です。

 

そんなステファノに連れられ、最初に向かったのは街のレストラン。もちろんテーブルに敷いてあるのはブサッティの生地。そして右の女性が着ているのはブサッティのエプロンです。洗練されたイメージが強いのですが、こうやってイタリアの家庭に馴染んでいるんだなと想像する事ができ、愛されている理由が良く分かります。5年10年と毎日使い洗濯しながら使い込まれた生地。質の保証は実際に使っているところを見れるので説得力があります(笑)

右側の女性は、こちらのレストランのオーナーのお嬢様。イタリア人と韓国人のハーフ。

左は最初のお料理が出てきた瞬間の写真。トリュフやポルチーニが有名な地域だそうで、生トリュフをパンに削ったものを戴きました!全て本当に美味しかったです。

 

実際に生地が織られている工場へ!本社の地下にあるのですが、この建物も年季が入っております。確か200年程前の建物だと言っていました。(この地域では築100年の建物でもNEWと言われるそうです!)織機が数十台並んでおり、心地良いリズムで音を奏でています。私たちが泊まったのは、同じ建物の2階にあるゲストルームだったので、朝7時くらいから教会の鐘の音と「カシャーンカシャーン」の音で目覚めました。

右の写真の職人さんは、機械が止まった時に出動し、糸のほつれを治しています。

左側の縦糸を見てください。糸の太さに長持ちする秘密が隠されています。(うちの縫製スタッフが、ブサッティの生地の糸の太さに驚いた!と言っていました)

 

地下の工場で生地が織られ、それが近所の主婦の方々のお家で縫製され、1階のショールームに並ぶ…. (ひと昔前までは2階にブサッティ家が住んでいた)
原材料はウール以外は、エジプトやベルギー、アメリカから輸入していますが、その他は全てアンギアーレでものづくりが終結する姿に憧れを戴きます。
生地を触っていると暖かみを感じますが、それもファミリーとその仕事に関わる方々の雰囲気と似ているような気がしてなりません。

下の写真は、ひと昔までブサッティ家が住んでいたお部屋で、私たちのゲストルームでした。置いてある全てのものが高品質なアンティークと言った感じでしたが、ブサッティの生地がインテリアに使われる事で、軽やかさがプラスされ大変居心地の良い空間でした。両方の部屋に掛けられているのは、これまた数十年前のリネンカーテンです。リネンは、耐光性が非常に弱く私たちとしては質を保証できない怖さがあるのですが、ブサッティなら問題ないことをここでも確信!

インテリアは、重厚感があるなか、とっても素朴さを感じるイタリア感と言った感じです。とにかく「わーかわいいー!」「素敵ー」の連発でした。

左はベッドルームの一つ。カーテンが少し寸足らずではありますが、これもまたご愛嬌。昔は子ども部屋に使われていたのかなと想像致します。

右はリビングルーム。大きな暖炉がデンと鎮座しており、反対側のスペースにはピアノが置いてある大きなゲストスペースがあり… 見事でした。

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
下は記念撮影写真です。
とてもエネルギッシュで母性溢れる方ママのポーラもずっとご一緒して下さり、そして日本人とイタリア人のハーフで隣町で育ったユキさんが通訳として入って下さいました。最終日はユキさんの2歳の娘さんトモエちゃんも一緒に行動し、とにかくファミリー感溢れるおもてなしをして頂いた事に感謝。

ブサッティの生地やテーブルリネンのご紹介、そのほかの新作生地や出張報告は下記の日時に開催いたします。
イベントページは、まだ立ち上げてませんが、ご興味のある方は下記のメールか電話でお申し込み下さいね!

リサブレア出張報告ランチパーティ
2月21日(金)11:00-13:00 参加費: ¥3,000 ランチ付き
info@risabraire.com 又は 078-341-0520 までお申し込み下さい。

●Busattiの公式ホームページはコチラ

 

ストックルームにて撮影!

 

 

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