パリ・BRAQUNIE(ブラクニエ)邸宅への訪問 Vol.1

2023年2月にフランス・パリの郊外で開催されたBRAQUENIE(ブラクニエ)の新作発表に行ってきました。

今回は200周年記念の特別展示で、パリから車で1時間ほど離れた邸宅をまるまるBRAQUENIE(ブラクニエ)のファブリックを使い見事にデザインされていました。

私自身3年ぶりのフランス出張だったこともありますが、とにかくその場所にいた数時間は夢のような世界であり、その経験を一言であらわすと「感動」
博物館のような立派な邸宅は「博物館」ではなく、暖炉に火が灯され、花々がいたるところに置いてあり、そこにはホストの存在があります。
ホストはもちろんフレイ家の皆さま(ブラクニエを含むインテリア生地5ブランドを経営するファミリー企業)で、皆を玄関でおもてなししてくれており、とても温かみを感じる展示会です。

Anniversaire 1823-2023 Collection by BRAQUNIE(ブラクニエ)
1823年創業。1991年にフランスを代表するインテリ生地ブランド Pierre Frey(ピエールフレイ) の傘下となります。
200周年を迎え、今回のコレクションは当時のアーカイブを現代の技術やデザインで復刻したシリーズ。
今も昔も、ヨーロッパは交易を通して様々な国々からインスピレーションを受け、自分たちの手でデザインをしています。パリ装飾美術館トワルドジュイ美術館に保管されているアーカイブも使われている壮大なコレクション。刺繍やスクリーン印刷など、贅沢な仕様で展開される生地や壁紙は素材にももちろん拘っております。

 

ここはダイニングルーム。ファブリックが美しいことは言うまでもありませんが、テーブルの上に飾られたフラワーが見事でした。また、丘の上に建つこの邸宅の窓からの景色が壮大で、差し込んでくる太陽の光が本当に気持ちのいい空間でした。まるで映画のセットの中にいるような感覚で、歴史や文化を大切にするフランス人のスピリットや価値観を経験する貴重な機会でした。

左はダイニングルームへと続く扉から撮った写真。寒い時期の朝方でしたが室内は暖炉で温められておりました。
窓のカーテンはバランス(上飾り)。テーブルクロスはもちろん綿が使われており、このコーディネートはパーフェクトでございました。
200年前、交易を通してインドからやってきた生地にインスピレーションを受けて発展したデザイン。私たちが考える「フランス的」なデザインは文化ミックスでつくられてきたものなのですね。

生地の価格が出ているのでご参考までにお伝えします。中々お高い生地なので簡単には買えませんが…

Leopoldine(写真右)
プリント生地・コットン100%・146cm幅・¥65,600/M

 

では、1部屋目のベッドルームを見ていきましょう!

ベッドルームは合計3部屋ありました。その内の一つがこちら。壁紙とベッド上の天蓋の生地は同じデザインで続いております。
南国の象徴であるパイナップル。そこから広がる枝や実が広がるトロピカルパターン。このデザインは1777年にベルサイユ宮殿の王妃のプライベートルームに実際に使われていたそうです。ベッドリネンも素晴らしいですね。

暖炉に火が灯り、華やフルーツが置かれ、まるで誰かがここに住んでいるかのような世界観。ショールームでは味わうことのできないこの生きた感じが何とも素晴らしかったのです。どれだけの時間を掛けて、使われていなかった邸宅をこのレベルまでつくり込んだのか… 想像もできませんが、さすが!としか言いようがありません。
左の写真の奥をご覧下さい。このシノワズリのキャビネットは元からあったのでしょうか?他にもシノワズリの家具が沢山置いてありました。
ヨーロッパの人々がいかに東洋からの文化に影響を受けてきたかを感じます。

PETITS APPARTEMENTS DE LA REINE(写真右)
ハンドスクリーン印刷生地・96cm幅・コットン100%・¥78,000/M
RAYURE PETITS APPARTEMENTS DE LA REINE(写真左)
プリント生地・130cm幅・コットン100%・¥73,400/M

 

ではでは、次のベッドルームへ行ってみましょう!

ベッドヘッドに使われているのは手刺繍の生地。近くで見るとモコモコっとした立体感があります。
右奥に見えているのはバスルーム。そこへ続く扉にシェードとして使われていますが、その使い方も面白いですよね。天井高が4M程あるので高さを活かしたファブリック使いが勉強になりますね。日本では平均2.3-2.4M程なので、1.5倍程度の高さになります。

目に飛び込んでくるもの全てが気になるのですが… 右の写真にもシノワズリのウォールデコが飾られていました。
古さを感じますが、それを上手に合わせるのが西洋の方々の素晴らしさですね!スタイリングの勉強になりますね。
左側の刺繍生地は、抽象化された葉と花がダイナミックにデザインされ”Lost Paradise(失われた楽園)”と説明がありました。このデザインはヨーロッパの他のブランドでもありますが、長年人々に愛され続けている定番デザインであるとも言えます。

右はフランスの製図家ジャン・ピレマン(1728-1808年)によるデザイン。この方は17世紀のファブリックデザインには欠かせない作家です。
17世紀からヨーロッパ諸国はインドとの交易をはじめ、インド更紗の技術を各国が模倣していきます。フランスはルイ14世によりインド更紗の製造が禁止されていた為、他国より少し遅れた17世紀後半から追い上げていきます。ペイズリーや抽象的な植物柄は、インドから来た織物やラグからインスピレーションを受けてきたのですね。

シノワズリ生地の繊細さを実現させるために、フランスの伝統工芸技術として認定されている工場で印刷されているそうです。

Ashoka(写真左)
手刺繍生地・126cm幅・アクリル67% リネン33%・¥85,500/M
コットン100%・¥63,500/M
Chinoiseries(写真右)
プリント生地・136cm幅・コットン100%・¥63,500/M

 

伝えたいことがありすぎるので、続きは来週にアップしていきたいと思います。7月19日から2週間神戸阪急にてポップアップを開催します。
その期間中に報告会もしたいなと思っております。
最後までお読み頂きありがとうございました!

Share

Category

Archive

Recent posts

リサブレア オンラインショップはこちらから