シノワズリはクールジャパンブームの礎?

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いつもリサブレアブログをご覧頂き、誠にありがとうございます。

プリントプロダクションコーディネーターの大西です。最近、大変有難いことにシノワズリデザインプリントのお仕事が続いております。

 

そんな中改めてシノワズリについて理解しておきたいな、と数冊著書を購入して勉強中なのですが、そこで驚いたのがシノワズリは今のクールジャパンブームのきっかけではないかといった話です。

 

『シノワズリーか、ジャポニスムかー西洋世界に与えた衝撃』『ジャポニスムと近代の日本』(山川出版社)の著者、東田雅博氏の作中一文にはこうあります。

 

《 今日、日本のファッション、アニメ、漫画などのポップカルチャーは世界中で人気が高い。もちろん、その他にデザインや建築、あるいは食文化なども大いに注目されている。日本の文化が世界の注目を集めているようである。こうした現象はクールジャパンと呼ばれているが、じつは同様な現象は幕末・明治期の頃にも見られた。この頃、日本の美術工芸品、とくに陶磁器、漆器、浮世絵などが欧米世界でもてはやされたのである。これはジャポニスムと呼ばれる。 》

 

《 じつは、ジャポニスムの前に、一七、一八世紀のことだが、中国の磁器やデザインがヨーロッパ中でもてはやされ、一大中国ブームが起こった。これをシノワズリーという。 》

 

さらに読み進めた内容を要約しますと、ジャポニスムを通じて日本への関心がヨーロッパで広まりゴッホやモネ等のアーティストから庶民文化まで広まったのは、その前段階にシノワズリがヨーロッパにおけるオリエンタルへの魅力関心を十分に高め地均しをしていたからだということ。

ヨーロッパの中国観研究の先駆者の一人、レイモンド・ドーソンは著書『ヨーロッパの中国文明観』で「この時期のヨーロッパ人は、芸術における古典的伝統の因習に飽き飽きしていた」ことを挙げています。そうした状況の中、フランス最高の文学賞としても有名なフランスの兄弟作家・ゴンクール兄弟らの熱心な宣伝がありそれによって中国を始めとする東洋の文化に魅了されていったようです。

 

その後、ジャポニスムは1862年のロンドン万博での大反響をきっかけに、ウィーン万博、パリ万博、フィラデルフィア万博で熱の高まり・伝導を加速させていきます。ただやはり、ヨーロッパにおける東欧文化の先駆けはシノワズリであり、他の東洋文化を受け入れるきっかけを作ったのは大変重要といえるでしょう。

また、シノワズリはジャポニスムと比較して、より高い次元でヨーロッパ文化と融合することに成功しました。ロココ調のインテリアとシノワズリの高相性はあまりにも有名です。

 

結局、現在のクールジャパンブームもマクロな視点から見てみれば19世紀に起きたオリエンタルブームのある種再来であり、反対に、更に過去を見てみれば人類史における三大発明とされる羅針盤・火薬・活版印刷+製紙法はいずれも中国(宋)発祥で人類の教育や文化の醸成に欠かせない存在です。つまり、上記東田雅博氏が仰るところの「文化史のリオリエント」として繰り返されているのが現状で、まさに目の前でそれは展開しているといえるでしょう。芸術、文化としてのシノワズリの見直しも必然的に起こったと私は感じております。

 

 

建築におけるシノワズリデザインも文化史の周期、その都度行われる調整を考えるととても感慨深いです。やはり元来、文化的にも高水準となった時代のヨーロッパの方々から初期段階で受け止められた東洋のデザインがシノワズリですから当然洋風建築に合うでしょう。また、全く異質な要素を取り込むわけではありませんし、バランスさえ考えれば日本家屋にも合うことでしょう。

結局のところ「バランスの調整・デザイン」に尽きる訳ですが、シノワズリのデザインは現代日本の建築物の多くと良相性、というのが今回のお話の結論であり、表題につきましては「リオリエント」観で考えるとシノワズリはクールジャパンブームの礎、先輩と言えると私自身捉えております。

 

 

長くなってしまいましたが、リサブレアでは、こうしたシノワズリデザインを日々研究、デザイニングしております。

より多くの空間に合わせやすくリーズナブルなアートパネル(サイズも複数)もございますし、更にお住まい・ご利用の空間を素晴らしいデザインへとお考えの皆さまには特注デザインオーダーも承っております。

少しでも関心を持たれた皆さまは、この際に是非一度お気軽にお問合せ頂けると幸いでございます。

 

 

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